白目や結膜の充血・白目が赤い
白目やまぶたの裏側の結膜が赤く充血している状態です。充血の原因としては、アレルギー性結膜炎や感染症、ドライアイ、強膜炎、虹彩炎、点状表層角膜症などがあります。注意が必要なのは、コンタクトレンズを使っている方の充血です。この場合、角膜が傷付いて充血を起こしている可能性がありますので、早めに眼科を受診してください。
白目の1部分に鮮やかに赤い部分があるのは結膜下出血です。これは、早ければ数日、長引いても半月ほどで自然に解消することが多くなっています。こうした結膜下出血が繰り返し起こる場合には、原因疾患として結膜弛緩症などが疑われるので受診が必要です。
目やに
結膜が炎症を起こすと目やにが増えます。細菌などに感染して目やにが増えている感染症の可能性があります。感染力が強いものも多いため、早めに受診してしっかり治しましょう。
乳児で目やにの量が多い場合には、先天性鼻涙管閉塞が疑われます。これは涙を排出する涙道が生まれつき塞がっている状態です。自然に治ることもありますが、感染しやすい傾向があるため1度眼科を受診するようおすすめしています。
目の乾き
ドライアイの原因には、涙の分泌量が少ない、涙の成分が変わって乾きやすくなっている、そして全体に涙を行きわたらせるまばたきの回数が極端に減っているなどがあります。スマートフォンやパソコンの画面などを見ている時には、意識が集中しているため、まばたきの回数がかなり少なくなります。また、コンタクトレンズはドライアイになりやすい傾向があります。こうしたことから、幅広い世代のドライアイ発症が増えています。目の表面は涙の膜がバリアとして働いてダメージから守られています。目が乾くドライアイは、このバリア機能がなくなって目の表面が傷付きやすくなっているため、眼科疾患リスクが高い状態です。全身疾患の初期症状としてドライアイが現れることもありますので、目の乾きが気になったら眼科を受診してください。
目がかゆい
感染力の強い感染症の可能性がありますので、早めに受診してください。他に、アレルギーや逆さまつ毛なども原因として考えられます。かゆいと無意識に目を何度もこすって角膜などを傷付けると視力に影響してしまうこともありますので、早めに受診してかゆみを解消させましょう。なお、アレルギー性結膜炎の場合、症状を起こすアレルゲンがわかっていれば日常生活でできるだけ触れないようにするなどの有効な対策をとることができます。当院では一度に39種類のアレルゲンを調べるview39検査や、採血の難しいお子様には、アレルギーを起こしやすい8項目のアレルゲンを調べられる迅速検査も行っています。
見えにくい・視力が低下した
スマートフォンなどを長時間見続けるなど目を酷使した際に一時的な視力低下を起こすことがありますが、睡眠や休息をとっても回復しない場合、眼科疾患の症状として視力低下が起きている可能性があります。視力低下の症状を起こす眼科疾患には、放置していると失明に至るものも少なくありません。罹患者数が多い白内障や緑内障も、視力低下で受診して発見されることがとても多くなっています。急に視力が低下した、今まで見えていたものが見えにくいといったことに気付いたら、視力低下を進ませないためにも早めに眼科を受診してください。
ゆがんで見える
直線であるはずの線がゆがんで見えるといった症状です。網膜の中心には文字を認識するなど細かいものを注視するための役割を担う黄斑という重要な部分があります。ものがゆがんで見えるのは、この黄斑になんらかの異常がある可能性が高い状態です。加齢黄斑変性症、黄斑上膜、黄斑円孔などが疑われ、また糖尿病の方は黄斑に水がたまってこうした症状を起こしていることも考えられます。できるだけ早く眼科で検査を受けてください。
まぶしさを強く感じるようになった
まぶしく感じた際に痛みをともなうケースでは、目が傷付いている可能性がありますので早期の受診が必要です。夜間、車のライトなどが以前よりまぶしく感じるといった症状は、ドライアイや白内障をはじめ多くの眼科疾患で起こります。
ゴミのようなものが見える
実際にはない細かいゴミが浮遊しているように見える状態は、飛蚊症と呼ばれます。晴れた日に雲のない青空を見上げるとよくわかります。形状はさまざまで、黒や透明の点、糸、虫、アメーバなどと表現され、沈むようにゆっくり動いたり、視線を動かすとシンクロするように動くこともあります。日常的によくある症状であり、眼球内の濁りが影として見えている飛蚊症は、あまり心配がありません。ただし、眼球内に炎症や出血があるケース、網膜剥離を起こしているケースの場合、放置していると短期間に視力が大幅に低下して失明する可能性もゼロではありません。浮いて見えるゴミのようなものが大きい場合や、浮遊しているものの数が多い場合には、できるだけ早く受診しましょう。
ものが二重に見える
片目で見た時に対象物が二重に見える場合は眼科疾患の可能性が高く、白内障や乱視、角膜や網膜の疾患が疑われます。両目で見た際に対象物が二重に見える場合は、斜視などの眼科疾患、そして脳に原因がある可能性があります。早めに受診して原因を確かめましょう。当院では、脳に原因があると判断された場合、連携している高度医療機関をご紹介しています。なお、眼鏡をかけると対象物が二重に見えるのは、眼鏡が合っていないのが原因ですから、眼科を受診して視力検査を受けてください。
視野が欠ける
見えている範囲にあるものが一部見えない状態です。視神経や網膜に異常があると、こうした視野の欠けという症状が現れます。視野の欠けは放置してしまうと、突然視力が大幅に低下して日常生活がままならなくなる可能性が高い症状です。緑内障や、加齢黄斑変性、動脈瘤破裂、網膜静脈閉塞症の可能性があります。こうした疾患では、視神経の損傷、網膜の出血、網膜中心に穴ができてしまうなど深刻な状態が起こっています。治療しても欠けて失われた視野を回復できず、それ以上悪化するのを防ぐことしかできない疾患もあります。視野の欠けに気付いたらできるだけ早く受診してください。なお、普段は両目で見ているため、片目の視野が欠けていても反対の目から入ってくる情報で補完されてしまうため、視野の欠けがかなり大きくならないと気付かないことがあります。見えにくさを感じた段階で眼科を受診し、視野の欠けがないかを検査してもらいましょう。
まぶたにできものがある・ものもらいができた
まぶたに炎症を起こして腫れ、痛み、かゆみ、赤みなどの症状を起こしている状態です。多くは分泌腺が細菌に感染して炎症を起こしているため、抗生剤による治療が有効です。化膿している場合には切開して排膿する場合もあります。適切な治療を受けないで放置していると悪化して、傷が残ることがありますし、無意識にこすって目の表面を傷付けてしまうこともあります。できものに気付いたら触れないようにして、早めに治療を受けましょう。
まぶたのけいれん
睡眠不足や過労などで意志と関係なくまぶたがピクピクする一時的なけいれんが起こっても、睡眠や休息で自然に解消する場合はあまり心配ありません。けいれんが続く、繰り返す場合には、結膜炎や角膜が傷付いているなどの眼科疾患か、片側顔面痙攣や眼瞼痙攣の可能性があるため、受診が必要です。片側顔面痙攣や眼瞼痙攣の場合には、定期的にボトックス注射を受けることで改善が可能です。