多焦点眼内レンズ

レンズと眼内レンズの種類について

自分に適した眼内レンズとは?

眼内レンズには種類があるため、迷われる方もいらっしゃると思います。
以下の表を参考に自分に適するレンズを考えてみましょう。

通常の眼内レンズは焦点が1つのため術後にメガネが必要となりますが、多焦点眼内レンズの場合、近くと遠くにピントが合い、手元から遠くまで概ね見えますので、術後にメガネをかける頻度が減りますが、完全に眼鏡が不要になるわけではありません。
現在全国での白内障手術の2%が多焦点眼内レンズとなっております。

眼内レンズの種類
単焦点レンズの見え方 2焦点レンズの見え方 3焦点レンズの見え方
遠くにだけピントが合います。
近くの距離を見るには老眼鏡が必要です。
遠くと(中間や近く)の2ヶ所にピントが合う
のでメガネをかけることが少なくなります。
遠く中間近く連続~3ヶ所にピントが合います。
単焦点 2焦点 3焦点

多焦点眼内レンズ手術に要求される精度の高い白内障手術工程

レンズ不適合を限りなく減らすために、特に精度が要求される多焦点白内障手術には高精度なガイダンスシステムが重要でないかと考えております。

とくに、多焦点白内障の精度を極限までに高めるため、船橋初導入となる ARGOS® Ver.1.5(アルゴス バージョン1.5)を運用開始しました。

2021年8月導入当初は、千葉県内では数施設しかこの装置を保持している医院はありませんでした。この装置は患者さんの症例が増えるほど機械学習を行い、精度が上がる装置です。最近ではこの膨大なデータをもとに正確なレンズ合わせが可能となりました。

なぜガイダンスシステムが必要なのでしょうか?

 

多焦点眼内レンズは、遠くも近くもよく見える欲張った眼内レンズです。故に非常にデリケートで、単焦点眼内レンズに比較して偏心(レンズの偏り)や乱視に弱く、レンズを眼内の指定された部位に、角度もきっちり正確に挿入する必要があります

 

手術の流れ

正確な前嚢切開、正確な角膜切開、正確なトーリックIOL固定ができるARGOSは、その問題に答える最適解なのです。

術前計画

ARGOSにて、術前の計画をします。セグメント方式にて眼軸長(眼の長さ)を測定します。また、高精度に角膜乱視の測定が可能です。

前眼部OCTもついておりますので、通常の装置ではわからない、眼軸長を測定しているときに眼が傾いていないかなどを判別できます。

また、この装置がネットワークに接続されており、日々更新される新しいデータにアップデートされております。

手術室にて
STEP 1

実は、眼を切開する位置でわずかに乱視が変化します。

なるべく乱視が少なくなるように切開を行います。切開する位置(青矢印)がコンピュータにより、顕微鏡に投影されます。その通りの位置で切開を行います。

STEP2

CCCと言いまして、レンズを入れる入り口を作成します。口をやや開けた、巾着袋の中にレンズを入れるイメージです。

特に多焦点レンズは巾着袋の入り口が、なるべく正円である必要があります。肉眼ではどこが中心か分かりづらいのですが、ガイダンスシステムがあれば一目瞭然です。

STEP 3

乱視は多焦点レンズの大敵です。従来は目分量で眼内レンズの軸を決めていましたが、ARGOSを使用すれば、コンピューターが示す通りの軸にレンズをセットすることができます。

実際の手術症例です。太い実線に重なる、眼内レンズに3つのマークが有ることがおわかりになるでしょうか?

コンピューターが指し示す緑の点線に、眼内レンズのマークを正確に合わせれば、寸分違わす、眼内レンズの正確な固定ができていることとなります。

STEP 4

センタリング(中央)の確認:レンズがしっかり中心にあることを確認して、手術終了となります。

多焦点レンズにおいて、高精度な検査が必要なことは間違いありませんが、当院では単焦点レンズにおいても、このアルゴスシステムを導入し、高精度な手術を行っております

このシステムがあるからと言いまして、保険診療の範囲で患者さん負担が増えることはございませんのでご安心ください

老視矯正 3焦点眼内レンズ PanOptix(パンオプティクス)

PanOptix眼内レンズには、ピントの合う範囲が近方もしくは遠方のいずれか1カ所に限られる「単焦点 眼内レンズ」と、複数力所にピントを合わせることでより広範囲の視力を補正する「多焦点眼内レンズ」があります。これまで日本で薬事承認を受けた多焦点眼内レンズは2カ所にピントが合う2焦点眼内レンズのみでしたが、PanOptix®は遠方・中間・近方の3カ所にピントを合わせることができる3焦点眼内レンズです。

光の配分を遠方、中間、近方と等しくすることで、全ての距離において美しく見える設計となっております。また、大きな特徴として4.5㎜の回折ゾーンを使うことで、患者さんの瞳孔径による見え方のパフォーマンス低下が軽減されました。

一番のメリットは、一般的なパソコン操作に快適な60㎝という中距離に着目し、加入度数を強化していることです。パソコンやスマホを多用するオフィスワークや、テレビの視聴や運転、料理、スポーツなど、幅広い現代の生活に定着することができます。従来の眼内レンズでは、中間距離のピークが80㎝だったので、60㎝になることで、術後の患者さんのさらなる生活の質(QOL)の向上が可能となります。眼鏡依存からも離れ、自然に物や景色を見ることが可能になるのも大きな魅力です。

多焦点眼内レンズ特有の癖が少なく、見え方の違和感も少ないため、当院で一番多く採用されているレンズです

 

 

3焦点レンズPanOptix パンオプティクスの特徴

  • 高い光利用率により、実生活に適した、遠方・中間・近方のすべての距離においてバランスが取れた鮮明な視覚を提供します。全体の光欠損は12%とこのクラスのレンズではかなり優秀です。
  • 明るさの変化の影響を受けにくく、安定した見え方を実現します。当院多焦点レンズで最も多く使用されているレンズです
  • 多焦点の欠点である「ハロー、グレア(夜のライトが散って見える)」も、二焦点レンズに比較して、かなり抑えられています。
  • ハロー・グレア現象はややありますが、数ヶ月でなれることが多いです。

老視矯正 3焦点眼内レンズ FineVison(ファインビジョン)

多焦点眼内レンズの老舗である、ファインビジョン:FineVision(POD F)は、2011年にベルギーのPhysIOL社が販売を開始した親水性アクリルの回折型3焦点レンズであり、「近方が良く見える3焦点レンズ」として歴史と実績があります。

近方焦点距離33cm程度まで見えるため近方重視の方にはメリットの多いレンズですが、このたび、そのレンズ素材が独自の疎水性アクリルに変更されたファインビジョンHP:Harmonized Performance(POD F GF)がBVI社からの販売となり、選定療養対象レンズに加わりました。

このレンズの大きな特徴として、アポダイズ構造を採用することで、異常光視症が軽減される工夫がなされています。

アポダイズ構造とは、「瞳孔径により光エネルギーをコントロールする仕組み」であり、瞳孔が拡張する暗所では、光エネルギーを遠用に配分する(中間・近方の光が暗所では眩しく感じるため)工夫を行うことで、異常光視症を軽減することを可能にしています。

3焦点眼内レンズ FineVison(ファインビジョン)の特徴

  • 高い光利用率により、実生活に適した、遠方・中間・近方のすべての距離において鮮明な視覚を提供します。特に近方重視のため回折(=レンズのカット)が多いため、全体の光欠損は14%と、PanOptixにはやや劣るものの実用上は問題ないと考えられております。
  • アポダイズ構造を採用することで、異常光視症が軽減される工夫がなされており、明るさの変化の影響を受けにくく、安定した見え方を実現します。
  • 多焦点の欠点である「ハロー、グレア(夜のライトが散って見える)」も、二焦点レンズに比較して、かなり抑えられています。
  • ハロー・グレア現象はややありますが、数ヶ月でなれることが多いです。

 

老視矯正 波面制御型焦点深度拡張レンズ Clareon Vivity(クラレオン ビビティ)

眼内レンズ・機器最大手のAlcon社が満を持してリリースした、クラレオン ビビティ(Clareon Vivity)は「波面制御型焦点深度拡張レンズ」という新しい多焦点眼内レンズのタイプです。

一般的な回折型の多焦点眼内レンズは光の回折現象を利用し、光を「近方」「中間」「遠方」に振り分けることで、それぞれの距離に焦点を合わせています。
波面制御型焦点深度拡張レンズは、レンズ表面の「波面制御領域」によって、「先行する光の波面(近方〜中間)」と「遅延する光の波面(中間〜遠方)」を合わせて1つの波面に引き伸ばすことで、遠方〜近方まで連続的に焦点を拡張することが可能になっています。これはこのレンズのみの独特の設計です。

Alcon社独自の最新技術が取り入れられている、「連続的な焦点の拡張を可能にするレンズ」は水晶体本来の見え方に近いとされており、白内障手術後でも自然な見え方を実感することができます。

黄斑変性症や糖尿病網膜症をはじめとする網膜疾患(眼底疾患)や緑内障などの他の目の病気によって、多焦点眼内レンズを挿入希望でも、単焦点眼内レンズで諦めざるを得ないことがありまました。ただし、このレンズの特性は単焦点眼内レンズに限りなく近い素直な特性を持つため、いままで手術ができなかった方でも可能になる場合があります。

デメリットは、近方の細かいものが3焦点レンズに比較して見えにくい場合があることと、現在乱視矯正が不可能なことです。

 

 

老視矯正 波面制御型焦点深度拡張レンズ Clareon Vivity(クラレオン ビビティ) の特徴

 

  • 遠方から中間距離まで自然に見えるので、長距離の運転でも疲れにくいです。
  • ハロー・グレア現象がほぼなく(光学的エネルギーロスがほぼ0%)、夜間も自然に見えるので、長距離の運転でも疲れにくいです。
  • コントラスト(くっきり感)の感度が良好。一般的には多焦点レンズに向いていない、写真家の方や絵画が趣味の方にも向いているとされています。
  • 中近(実用近方)間までの自然な見え方と引き換えに、新聞など近方は3焦点レンズに比較してやや見えにくく、老眼鏡を必要とすることがあります。

 

老視矯正 2焦点+EDOF Technis Synergy(テクニスシナジー)

現在は、3焦点もしくは焦点深度拡張型(EDOF)が多く使用されています
令和3年初頭より新しく発売されたレンズで、Johnson&Johnson社の、テクニスシナジーです。
このレンズの特徴は、焦点深度拡張型=EDOF(遠くから近くまで幅広く見える=自然な見え方)+2焦点の性質この2つをあわせもっていることです。このレンズのように、レンズ周辺部まで回折格子があると、瞳孔径が大きくなる暗所でも近方視力は保ちやすくなりますが、遠方のコントラスト感度が低下しハログレアが強くなる傾向があります。そこで、あえてレンズ周辺部1.5mmの部分は回折格子を入れずに遠方用にして、ハログレアを軽減しコントラスト感度が低下しないように工夫しているのが、3焦点レンズのパンオプティクスです。レンズそれぞれに短所長所があり、高いもの・新しいものが常に良いとは限りませんので、高い術後満足度を得るためには、ご希望に則したレンズ選択が重要となります。

Technis Synergyテクニスシナジーの特徴

  • 2焦点レンズ+連続焦点要素のEDOFが加わることにより、特に近くの見え方(35cm程度)が従来の多焦点眼内レンズよりも優れていると言われております。
  • 暗いところでも近くがよく見える特徴がありますが、遠方はコントラストが低下し、やや見えにくいことがあります。
  • 多焦点の欠点である「ハロー、グレア(夜のライトが散って見える)」も、二焦点レンズに比較して抑えられています。
  • ハロー・グレア現象はかなりありますが、数ヶ月でなれることが多いです

 

老視矯正 2焦点EDOF(イードフ)レンズ Technis Symfony(テクニスシンフォニー)

シンフォニー多焦点眼内レンズは夜間に光の周りにリングが見えたり、まぶしく見えたりする欠点がありましたが、EDOF(イードフ)レンズ焦点の領域を広げる構造でハロー・グレアを軽減し、夜間もより自然な見え方が可能となりました。遠方から中間を重視したレンズです。(新聞は見えにくい)
当院ではSymfony(シンフォニー)というレンズを取り扱っておりますが、前述のVivity(ビビティ)の登場により出番が少なくなってきたレンズですが、Vivityにはない乱視矯正が可能です。乱視がある方で、新聞などはメガネを掛けてもOKで、コントラスト感度の低下が気になる方には適応となりえます。

EDOF(イードフ)レンズ Technis Symfonyテクニスシンフォニーの特徴

  • 遠方ら中間距離まで自然に見えるので、長距離の運転でも疲れにくい
  • ハロー・グレア現象を軽減でき、夜間も自然に見えるので、長距離の運転でも疲れにくい
  • コントラスト(くっきり感)の感度がそれなりに良好。一般的には多焦点レンズに向いていない、写真家の方や絵画が趣味の方にも向いているとされています。
  • 中間までの自然な見え方と引き換えに、近方はやや見えにくく老眼鏡を必要とします。

 

老視矯正 2焦点レンズ Technis Multifocal(テクニスマルチフォーカル)

Tecnis Multifocal(テクニスマルチフォーカル)

上記とは逆に遠方と近方のみに対応した多焦点レンズです。レンズが3種類あって、近方の焦点距離を3つから選ぶことができます。近方を重視したい方にお勧めです。

デメリットは、グレア・ハローなど特に夜間の運転など、光が眩しく感じられることが、他のレンズに比較してかなり多いことです。

  • 遠方と近距離のみ見えます。中間のパソコンは見えにくいです。
  • ハロー・グレア現象がかなりあります。夜間もライトが滲んだり眩しく見えるので、長距離の運転は疲れることがあります。
  • コントラスト(くっきり感)の感度があまり良いとは言えませんので、写真家の方や絵画が趣味の方にはおすすめできません。
  • 2焦点眼内レンズは、乱視が矯正できません。よって乱視が強い人は不向きです。

 

当院で取り扱う主な多焦点眼内レンズの種類

種類 選定療養 選定療養 選定療養 選定療養 選定療養 自由診療 自由診療 自由診療
レンズ名称 Pan Optix Fine Vision Synergy Vivity Symfony Intensity Acriva Trinova MINI WELL READY
パンオプティクス ファインビジョン シナジー ビビティ シンフォニー インテンシティ アクリバ トリノバ ミニウェル・レディ
タイプ 3焦点回折型 3焦点回折型

2焦点回折+

焦点深度拡張型

波面制御型

焦点深度拡張

EDOF回折型

(エシェレット)

5焦点回折型

(フーリエ)

3焦点回折型

(正弦波)

プログレッシブ型
乱視矯正 不可能 不可能
焦点 遠・中・近 遠・中・近 遠・中・近 遠~中近 遠~中

遠・遠中・


中・中近・近

遠・中・近

遠・中

高度近視対応

得意な距離 運転/スポーツ/PC スポーツ/PC/読書 PC/読書 運転/スポーツ 運転/スポーツ

運転/スポーツ

/PC/読書

運転/PC 運転/PC
近方の焦点距離 40㎝ 30㎝ 33cm 40~50cm 66㎝ 40㎝ 40㎝ 45cm
グレア・ハロー 少なめ やや少なめ やや有 ほとんど無 やや少なめ 少なめ 少なめ 少なめ
読書
PC
ゴルフ
夜間運転
生産国 アメリカ ベルギー アメリカ アメリカ アメリカ イスラエル オランダ イタリア
メーカー Alcon Physiol J&J Alcon J&J Hanita Lesnes VSY Biotechnology SIFI MedTech

多焦点眼内レンズの種類による費用

なつみだい眼科は「選定療養施設基準」を満たしておりますので、自由診療に比較して、患者さんの負担が軽くなります。(自由診療だと、全て自己負担になります)
保険会社関連ですが、選定療養を用いた場合は、その他の検査・投薬・術後の通院に、通常通り保険が使用できます。細部は保険会社により異なる場合がありますのでお問い合わせ下さい

 

多焦点眼内レンズ 3焦点バランス型Pan Optics(パンオプティクス)

波面制御グレア・ハローなし型Clareon Vivity(クラレオン ビビティ)

3焦点近方重視型FineVison(ファインビジョン)

多焦点眼内レンズ 2焦点+EODF型:連続焦点型 Technis Synergy(テクニスシナジー)

金額(手術費用)
乱視ない場合 片眼 280,000円税込(レンズ代)+(*手術代・薬代その他すべて:保険診療)
乱視強い場合 片眼 300,000円税込(レンズ代)+(*手術代・薬代その他すべて:保険診療)

実際の手術費用は、(片眼)
3割負担の方で 保険診療分50,000円+レンズ代280.000円または300,000円(約33万円~35万円)
1割負担の方で 保険診療分16,000円+レンズ代280.000円または300.000円(約29万6千円~31万6千円)

 

多焦点眼内レンズ 2焦点(拡張型) Technis Symfony(テクニスシンフォニー)/ Technis Multifocal(テクニスマルチフォーカル)

金額(手術費用)
乱視ない場合 片眼 180,000円税込(レンズ代)+(*手術代・薬代その他すべて:保険診療)
乱視強い場合 片眼 200,000円税込(レンズ代)+(*手術代・薬代その他すべて:保険診療)

実際の手術費用は、(片眼)
3割負担の方で 保険診療分50,000円+レンズ代180.000円または200,000円(約23万円~25万円)
1割負担の方で 保険診療分16,000円+レンズ代180.000円または200.000円(約19万6千円~21万6千円)

多焦点眼内レンズの注意事項

多焦点眼内レンズは従来の単焦点眼内レンズと異なり、遠くも近くも(ある程度) ピントを合わせることは可能ですが、人工的に作られた見え方をするため、若い頃の遠近全て見えていた頃の見え方とは異なります。
また、全体的にコントラスト感度が低下するといいまして、濃淡が甘くなり、僅かながらはっきりしない特性があります。
逆にそれらが気になる方は、多焦点眼内レンズの見え方に適応できない可能性がある為、単焦点眼内レンズをお勧めすることもあります。

多焦点眼内レンズにむいてない方

  • 夜間運転が多い方:グレア・ハローといいますが、対向車のヘッドライトの周りに輪ができるため慣れるまでは夜間や暗所での光がまぶしいため
  • 神経質な方:すべての距離にピントが合うわけではなく、完全にメガネ無しで生活できるわけではないため

選定療養とは

選定療養とは、患者さんご自身が選択して受ける追加的な医療サービスで、その分の費用は全額自己負担となります。令和2年4月より、術後の眼鏡装用率の軽減を目的とした多焦点眼内レンズを使用する白内障手術は、厚生労働省が定める選定療養の対象となりました。

 

「多焦点眼内レンズを用いた白内障手術」が、2020年4月1日より厚生労働省の定める選定療養の対象となり、手術費用の一部が保険適用となりました。

 

多焦点眼内レンズ代は、選定療養(自己負担)、手術技術料は健康保険の適用となります。これまでに比べ、患者様の自己負担額が軽減されました。

当院では多焦点眼内レンズの白内障手術を行う医療機関として届け出をしています。多焦点眼内レンズの対象となる患者様には診察時に詳細をご説明致します。

多焦点眼内レンズに関して、もう少し詳しく知りたい方は以下をクリック!

わかる!白内障

 

自由診療とは:プレミアム多焦点白内障手術を取り巻く背景

自由診療は約2ヶ月間全て自己負担になります。

多焦点レンズを取り巻く諸事情として、米国ではFDAEUヨーロッパ各国ではCEマークでの承認を受けることで複数の国や地域で幅広く使用できるようになります。

日本国内で選定療養に使用できる眼内レンズは厚生労働省の薬事承認を得なければなりませんが、それにはメーカー側に莫大な費用と時間がかかります。

故に各メーカーともに市場規模の小さい日本向けだけのために莫大な費用と時間をかけて薬事承認を通すメリットがないため、日本向けの単焦点レンズを多く扱っている米国企業(AlconJ&J)の一部製品だけが薬事承認を取得しています。そのため、高性能な多焦点眼内レンズが「厚生労働省未承認の多焦点眼内レンズ」として自由診療で対応するしかないという事情があります

 

Intensity(インテンシティー)世界初 5焦点眼内レンズ

Intensity(インテンシティー)イスラエルのHanita Lenses社が製造した眼内レンズで、5焦点眼内レンズ-Intensity(インテンシティ)は、「遠方」「中間」「近方」だけでなく「近中」「遠中」も合わせた5つの焦点距離にピントを合わせることができるのが最大のメリットです。

これによって、中間から近方、遠方をそれぞれ見る際に「連続してスムーズに見える」ことができます。多焦点構造を最適化させることで、目の中に入った光を殆ど無駄にすることがありません。光損失は、わずか6.5%と、90%以上の光を利用できる回折型レンズはこれ以外にありません

上述の光を無駄にしない設計のおかげで、グレア・ハローも3焦点レンズに比較してかなり抑えられており、最高の見え方を求める人にお勧めです。乱視用レンズも対応しています。 自費診療になります。

手術費用 5焦点眼内レンズ インセンシティー

金額(手術費用)
片眼 自費700,000円(税込)

※上記には2ヶ月分の検査投薬を含みます。
※乱視用は+5万円(税込)です。

Mini Well(ミニウェル)EDOF(焦点深度拡張型) 遠・中

Mini Well(ミニウェル)イタリアのSIFI社が開発した、新しいオプティックデザインです。
多くの多焦点レンズが採用してきた構造とは違い、球面収差を利用し見える距離を連続的に延長(焦点深度拡張=EDOF)することから、別名“オールフォーカス眼内レンズ”とも呼ばれています。
特に遠方~中間の距離の見やすさに強みがあります。また、ハロー・グレアは他の多焦点レンズと比較しても劇的に少なく、単焦点に匹敵します。瞳孔の大きさによって遠方がやや劣ることがあります。
近方はやや弱いため、読書などで眼鏡が必要な場合があります
さらに、多焦点レンズで少ない、ローパワー(高度近視)の方にも対応するレンズ度数がありますので、多焦点レンズを諦めていた高度近視の方も挿入可能です。自費診療になります

手術費用 ミニウェル

金額(手術費用)
片眼 自費650,000円(税込)

※上記には2ヶ月分の検査投薬を含みます。
※乱視用は+5万円(税込)です。

Acriva Trinova(アクリバトリノバ)3焦点+EDOF(焦点深度拡張型)

Acriva Trinova(アクリバトリノバ)多焦点レンズの回折構造が、多くの多焦点レンズと異なり、切れ目を緩やかにつなげることにより、光エネルギーのロスを低減することで遠方、中間、近方の3つの焦点をもち、全てにおいて良好な視力を得ることができます。多焦点レンズ特有のハロー・グレアが、かなり少ないという特徴があります。完全オーターメイドの製品になるため、検査後オランダに発注することになります。自費診療になります。

手術費用 アクリバトリノバ

金額(手術費用)
片眼 自費650,000円(税込)

※上記には2ヶ月分の検査投薬を含みます。
※乱視用は+5万円(税込)です。

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