当院での緑内障レーザー治療の自験例の話の続きです。前篇はコチラhttps://www.natsumidai.com/column/803/
点眼治療の負担を眼圧を下げるSLTレーザーですが、そもそもなんで眼圧が上がるか?ということを理解するためにこんな例をあげます。
眼の中は台所の流しのような構造になっております、水道の蛇口から常に水(=栄養成分)が出ており、それを線維柱帯という排水口に流しています。(図)
生活していれば図のように食事カスが発生します。それが、排水口に詰まって水が流れなくなると緑内障になってしますのです。
ただ、眼と台所で決定的に違うところがあります!!それは、台所は排水口が詰まっても水がシンクからあふれるだけですが、眼は閉鎖空間なので排水ができなくなると一気に眼圧が上がってしまうのです。
そこで、SLTレーザーは、シンクの網の上に落ちている食事カスのみを焼き切ってしまい蒸散させて、水の抜けを良くする道具なのです。
左の画像は従来レーザー 大きな穴が線維柱帯に空いてしまっています。右はSLTレーザーで組織損傷が殆どありません。
従来レーザーは写真のように、台所で例えると網の部分まで変形して焦がしてしまうため、眼圧がまた再上昇することがあります。
SLTレーザーは、必要なものだけを蒸散させて、ほとんど組織には影響がないのがわかります。
当院での結果です。
目薬はレーザー前後で変えておらず、2剤までという条件の方において、中央値にして眼圧が3mmHg下がりました。また一年後でも
統計学的有意差を持って眼圧が下がっておりました。
故に、緑内障の目薬一本を毎日点眼しているのと変わらない効果があったことになります。
緑内障点眼は高いものは保険を使用しても1本1000円近く(3割)するものもあります。一ヶ月一本と換算して、一年間で一万円超えます。
点眼が増えればさらに費用がかかりますので、一年間で緑内障関係だけでも最低10万円かかります
(統計によっては1割負担の方で約10万円、3割負担の方で30万円という試算もあります)
それに比較すると、長期成績が良好なSLTレーザーはわずか数万円でこのことが達成できてしまう、体力的にもコスト的にもかなりよい機械ではないでしょうか?
もし悩まれている方がいたら、ぜひ一度相談いただけると幸いです。いつもスタッフ一同笑顔でお待ちしております!!